アーティストプロフィール

ウダイ・バワルカールは、最も卓越したドゥルパド・ボーカリストの一人であり、ドゥルパドの世界的な認知及び人気の拡大、そして復興において、もっとも強力な推進力となっています。

音とラーガに溶け込んだとき、自己は消え、音楽そのものが自身の存在となる、それがインド哲学における『ダルシャン（すべてを委ねたあとに顕れるヴィジョン）』の原理であるとウダイは信じています。

ドゥルパドは、北インド古典音楽の最も古い形式の一つで、ウダイはドゥルパドの尊厳とその微妙なニュアンスを維持しています。ドゥルパドは活き活きと進化し続ける古典音楽の伝統であり、ウダイはドゥルパドにおいて、独特なスタイルを発展させています。それは、ラーガ、ラサ、バーヴァの中に、深く組み込み込まれています。

ウダイは、ドゥルパドのダーガル流派の巨頭である、Ustad Zia Fariduddin Dagar (Vocal) 及びUstad Zia Mohiuddin Dagar (Rudra-Veena)とともに、伝統的なguru-shishya parampara（師と弟子が共に生活して修養する伝統的な生活スタイル）で１２年以上学び、師と生活を共にしました。この間の生活はシンプルで、ただ音楽そのものに完全に集中した時期でもありました。この師と弟子の親密な関係性の中で、ウダイの献身に対し２人のウスタッドは喜んで彼らの秘伝を授けました。このような関係は、ウダイに完全性と全体性という深い感覚をもたらしました。

1987年、ウダイのパフォーマンスを初めて聴いた、当時のダーガル流派の最長老であったUstad Nasir Aminuddin Dagarは、最高の栄誉であるゴールドメダルをウダイに授けました。この期間において、感動的で意義深い瞬間でした。

ウダイは、包み込むようなスタイルで、経歴に関係なくすべての聴衆に歩み寄り、つながることができます。

1985年のボパールでの初公演以降、インド及び海外の多くの権威のあるフェスティバル・イベントに出演。ヨーロッパ各国、米国、カナダ、メキシコ、シンガポールで幅広く公演しており、他のジャンルや文化的背景を持つ芸術家達とコラボレーションも行っています。

コンテンポラリー・ダンサーのAstad Debooや、ドイツのthe Ensemble Modern Orchestra、そして、その他多くの国際的な芸術家とも共演しています。ムンバイのthe Prithvi Festivaにおいて、Ustad Zakir Hussainによるパカーワジと共演したことがあり、また、Taalyogi Pt.Suresh TalwakarやUstad Sukhwinder Singh Naamdhariとの共演経験もあります。

Mani Kaul監督の“Cloud Door”、Aparma Senの“Mr & Mrs Iyer” Amol Palekarの“Anahat”、Renuka Shahaneの“RITA”　などの国際的なアートフィルムのサウンドトラックにも出演しています。

また、ウダイは、卓越したパフォーミング・アーティストであるとともに、思いやりにあふれた師でもあり、彼のもとには、ドゥルパドの道を進むことに決意を持って真摯に学ぶ献身的な生徒達がいます。

ロッテルダム音楽学校（Rotterdam Music Conservatory）やシアトルのワシントン大学（the University of Washington）、ロンドンのAMC（the Asian Music Circuit）などの国際的教育機関でも、教育指導を行っています。

2012年には、コルカタのITC Sangeet Research Academyのグル(師)となりました。

また、バングラディッシュ・ダッカのBengal Foundation’s ”Parampara Sangeetalay”、プーネにある the Avartan Gurukul、イギリスにあるDhrupad music societyのグルでもあります。

ウダイ・バワルカールはまた、その芸術性が認められ、マディヤ・プラデーシュ州の首相からthe Kumar Gandharva Sammanの受賞（2001年）、著名な画家であるS.H. Razaから直々に授与されたthe Raza財団賞の受賞（2007年）など、多くの名誉ある賞を受賞しています。

プロフィール原文　：　www.dhrupaduday.com(English)

公式FBページ　：　https://www.facebook.com/Pt-Uday-Bhawalkar-582935785153918/